トヨタモーターヨーロッパが全長2.5m以下のマイクロBEV、FT-Meを世界初公開した。欧州では地域によっては運転免許不要で14歳から乗ることもできる。日本の都市部や地方の過疎地で使い勝手のいい庶民のアシになれるか?
文:ベストカーWeb編集部/写真:トヨタモーターヨーロッパ
2024年夏に販売終了したシーポッドの後継車?
2025年3月12日、トヨタモーターヨーロッパはベルギー・ブリュッセルで2人乗りのコンパクトカー、「FT-Me」を発表した。
このFT-Meは、2021年の東京オリンピックと2024年のパリオリンピック・パラリンピックに向けて開発されたトヨタのモビリティソリューションの成功をベースに、都市生活者の変化するニーズと現代の都市環境の課題に対応するよう開発された。
欧州市場では、フィアットトッポリーノやシトロエンアミ、ルノーデュオなど、全長2.5m以下のマイクロBEVが続々と発表されているが、トヨタからもリリースされることになった。
FT-Meは全長2.5m未満の2人乗りコンパクトカーで、EUの「Quadricycle(クアドリサイクル)」というマイクロカーのカテゴリーの軽量タイプ(L6e)に準拠している。
このL6eは、車両重量350kg以下、設計最高速度45km/h以下、高速道路走行不可、最大連続定格出力4kW以下、定員2名(マイクロEVのカテゴリー)と定められている。
国によって運転免許の区分は異なるが、イタリアは14歳から原付二輪免許で乗ることができ、フランスなら14歳以上、他のヨーロッパの多くの国も16歳以上なら講習さえ受ければ運転免許は必要ないという。
マイクロEVはL6eとL7eの2つのカテゴリー(L1e〜L5eは2、3輪車)があり、最高出力や最高速度はL7eのほうが上だが、代わりに45km/h以下、6kW以下のL6eは運転免許不要となっている。FT-Meの駐車スペースは乗用車の約半分しか占有せず、垂直駐車の場合は3分の1のスペースしか占有しない。
ちなみにトヨタではL7EカテゴリーのC+pod(シーポッド)が販売されていたが、2024年夏をもって生産終了。このシーポッドはヨーロッパでは運転免許不要、日本では普通自動車免許が必要。
エクステリアデザインはジェットヘルメットをモチーフにしたもので、黒と白のツートーンカラーを組み合わせている。
コクピットは視界がよく360度見渡すことができ、スマートフォンとの連携し、高度な機能も使用できる。
画期的なのは手動のステアリング操作だけで運転できる点。通常、普通のクルマを車椅子ユーザーが使用する際、アクセルペダルの代わりにステアリングに手動運転装置などを装着しなくてはならないが、FT-Meは改造しなくても運転できるのだ。
エネルギー消費量は1kmあたり大容量バッテリーのBEVと比較すると3分の1。さらに最先端のソーラーパネルルーフテクノロジーによってメインバッテリーを充電できるため、市街地で1 日あたり20~30km走行距離を追加できるという。
また持続可能性への取り組みとして、FT-Meにはリサイクル素材を使用しており、二酸化炭素排出量を 90% 削減することを目指している。
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