ベストカー本誌の過去記事から名企画・歴史的記事をご紹介する「ベストカーアーカイブ」。今回は2013年9月の企画「クルマの微妙な違いをテストで実証」より、「エアコンのON/OFFで燃費にどれだけ差が出るのか!?」をプレイバック!(本稿は「ベストカー」2013年9月10日号に掲載した記事の再録版となります)
文:編集部
■エアコンのON/OFFで燃費に差は出るのか? 実馬力は落ちるのか?
ON、OFFでクルマの性能に大きな影響を与える要素の代表がエアコンだ。
今回は影響が特に大きい軽自動車のなかから、動力性能の低さを指摘する声が多いNAのeKワゴンで実馬力と燃費をテストしてみた。ちなみにカタログ値は最高出力=49ps、最大トルク=5.7kgmである。
まずはシャシダイナモでの実馬力測定から。NAの軽自動車とはいえ、アクセル全開でローラーが回る光景はなかなかの迫力モノだった。
テスト前は「エアコンのON、OFFで大きな違いが出るのでは?」と予想していたものの、結果は計測誤差の範囲に留まった。
これは現代のほとんどのクルマにエアコンONでアクセル全開をした場合には、エアコンのコンプレッサーを保護するためにエアコンをOFFにする機能が備えられているためだろう。
続いて燃費テストを行なった。エアコンOFF状態でのテストで感じたのは「eKワゴンってこんなに走ったっけ?」ということ。
パワーに余裕があるとか、ライバル車より速いといったわけではないが、3割から4割程度のアクセル開度で幹線道路の流れに乗れ、一定の回転数を保ちながら走ることができた。
よく考えてみるとeKワゴンは今年(2013年)6月の登場だったため、担当を含めエアコンOFFで乗った人はほとんどいないこともあってこのような印象を受けたのだろう。
しかし、エアコンをONにすると予想通りというか、印象は途端に悪い方に変わった。
具体的にはスタートから30km/h程度までの加速までは動力性能確保のため、エアコンが切れていることもあるようで(カチンという音がする)エアコンOFFと遜色ないケースもあるのだが、30km/hを超えてエアコンがONになると、ウェイトでも積んだかのように加速が鈍くなる。
流れに乗って走るだけでも、アクセル開度も1割以上増えている感覚で、時には流れを乱さないためにアクセル全開を強いられることすらあった。
結果的にはアイドリングストップの回数と時間が大幅に減少したことも影響し、燃費も3割近く落ちてしまった。
結論としてはeKワゴンがあまりに燃費の落ち幅が大きいクルマだったというのはあるにせよ、燃費を考えるなら可能な限りエアコンはOFFにすべきといえるだろう。
■実馬力測定結果
最高出力値はエアコンのON/OFFにかかわらず41ps近辺でほぼ同じ。これは全開加速時はコンプレッサーのクラッチがオフされエアコンを切ったのと同じ状態になるため。
(写真、内容はすべて『ベストカー』本誌掲載時のものですが、必要に応じて注釈等を加えている場合があります)
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