「大学自動車部調査隊」として、隊長のゴリ奥野氏が全国の大学の自動車部を取材してきた当記事だが、このたび「大学自動車部応援隊」としてリスタート。一発目は拓殖大学自動車部を取材した。2024年シーズンでの躍進の秘密とは!?
※本稿は2025年3月のものです
文:奥野大志/写真:奥野大志 ほか
初出:『ベストカー』2025年4月10日号
そもそも「自動車部」ってナニ?
自動車部はモータースポーツ活動を行う、大学公認の運動部。陸上競技部や野球部と同じ体育会に所属し、運転と整備の技術を大会で競っている。
私立大学の多くは、全日本自動車学生連盟(学連)の競技に参加しており、拓殖大学は2024年の全日本学生ジムカーナで団体3位を獲得している。
●拓殖大学自動車部プロフィール
・正式名称:拓殖大学 麗澤会 自動車部
・部員数:12人(4年生をのぞく)
・試合車:1台(EG6シビック)
・活動場所:八王子国際キャンパス内ガレージ
・活動日:毎週土曜日
「調査隊」から「応援隊」へとリニューアル!
自動車部激推し読者のみなさん、お久しぶりです。大学自動車部応援隊・隊長のゴリ奥野です。装いも新たに「大学自動車部応援隊」としてリスタートすることになりました。学生共々よろしくお願いします。
今回お邪魔したのは拓殖大学の八王子国際キャンパス。拓大運動部の活躍といえば、2024年末の富士山女子駅伝で4位に入った、女子陸上競技部の活躍が知られていますよね。八王子国際キャンパスでは数多くの運動部が活動を行っており、自動車部のガレージもここにあります。
緑豊かなキャンパスを奥まで進むと野球場の先に自動車部のガレージが見えてきました。周辺には「自動車部あるある」の謎の不動車がいっぱい。年季を感じさせるガレージの中には拓大のスクールカラーであるオレンジのEG6シビックが収まっています。
「今日はよろしくお願いします!」。気持ちのいいあいさつで筆者を迎えてくれた部員とOBのみなさん。元気いっぱいで、どんな濃い話が聞けるのか、期待が高まります。取材に対応していただいたのは主将の光山恭佑さん。工学部の3年生で、GDAインプレッサを所有するラリー好きです。
「拓大自動車部は現在、12人で活動しています。活動日は毎週土曜日で、今は2月に行われる新人戦の準備を進めているところです。学連の大会はジムカーナ一筋で、先輩から代々受け継いできた、EG6シビックで出場しています。チームのモットーは“全部全力”。オンの時はもちろん、オフも全力です」(光山主将)。
拓大自動車部躍進の秘密は!?
拓大自動車部に興味を持った最大の理由が2024年の成績。なんと全日本学生ジムカーナの団体で3位(個人3位)を獲得しています。早慶をはじめとする強豪校や、全国から猛者が集まる日本一決定戦において、この順位はマジ立派。
しかも、マシンは自動車部界最強と言われるインテグラタイプRではなく、パフォーマンス的に見劣りする、EG6シビック(エンジンは非タイプRの激レアB18C)です。
自動車部は今、最も勢いのある時期を迎えていると言っても過言ではありませんが、光山主将は冷静に2024年の活躍を分析しています。
「全日本で優勝した慶應とはコンマ1秒差。本当に惜しかったです。2024年は拓大が強くて、熱いシーズンでしたが、その理由は実のところ、運転の上手い先輩と整備も運転も上手い先輩、ふたりの4年生がいたからです。
4年生は2024年の10月に引退しているので、2025年は先輩方が築き上げたベースを引き継ぎ、壊さず、続けられるように頑張っているところです」(同)。
本音を聞かせてくれて、ありがとうございます。確かに全日本学生ジムカーナのリザルトを細かく見ていくと、団体戦に出場した3人の選手のうち、ふたりは4年生です。でも、残るひとりは光山主将じゃないですか。名実ともに自動車部を引っ張っていくキーマン。責任重大ですね。
「2024年に結果を残したので、2025年こそという期待が自動車部の中にありますし、プレッシャーも感じています。
今年は速い選手を個々に育てるというよりも、部全体のアベレージを上げ、誰が乗っても上位に入れるようにしたいです。それができれば強豪校になれると思うので、今後の自動車部にとっても重要なことだと思います」(同)。
コメント
コメントの使い方