ヨーロッパでEVの売れ行きが落ち込んでいるが、これを受け株価が急落したのがフォルクスワーゲン。この事態に同社の主要株主であるポルシェSEが防衛産業への参入を検討し始めたという。重工業という点では共通ではあるがはたして……!?
※本稿は2025年4月のものです
文:角田伸幸/写真:フォルクスワーゲン ほか
初出:『ベストカー』2025年5月26日号
株価急落のフォルクスワーゲンが新たな収益を模索
中国での不振や欧州でのEVの伸び悩みを受けて、株価が急落したフォルクスワーゲン(VW)。この事態を受けて、同社の大株主であるポルシェSEが防衛産業に参入するという報道がなされている。
ちなみにポルシェSEと911を作るポルシェとは別会社。VW株の過半を握る持株会社で、その議決権はすべて、ポルシェ家とピエヒ家が握っている。
そのポルシェSEだが、VWの不振が長引くと考え、新たな収益の柱を模索しているとのこと。着目したのが、近年の欧州の安全保障不安の拡大だ。
同地域ではウクライナ侵攻によってロシアの脅威が顕在化したが、加えて米トランプ大統領までが、NATOの米国依存にケチをつけ始めた。
やむなく欧州は、防衛の自立化に向けて動き始めた。ドイツでも2025年3月に同国憲法である基本法が改正され、国防費の増強が許容される流れに。ポルシェSEはここに着目し、参入を検討し始めたと予想する。
自動車はテクノロジーの塊だけに、確かに防衛産業とは親和性が高いが、同時に乗用車は平和の賜物でもある。今後の展開に注目。
コメント
コメントの使い方ヒトラーの要望通りに作られた初代ビートルは政治色が極端に強い車種。
そこから長い時間を掛けて、VWは脱却をしてきた。完全に足洗ったあとでもイメージ払拭に努力を続けてきた。
なのにまたそこに立ち返るのだろうか。本気?