新型GRカローラが3月3日に発売となる。8ATの追加や40.8kgmに引き上げられた最大トルク、サスペンションの見直しなど改良ポイントは多いが、GRヤリスと乗り比べたらどうなのか。苗場プリンスホテルの特設コースで試乗!!
文:国沢光宏/写真:ベストカーWeb編集部、TOYOTA GAZOO Racing
GRカローラのほうがGRヤリスよりも乗りやすいワケ!
いやいや興味深い! 今やモータースポーツにも使える”武闘派”のクルマを作っているのはトヨタだけになってしまった。GRヤリスにライバルはなく、一人勝ちと言ってよい状況だったように思う。
そんな中、2023年にGRカローラが出てきた。当初はカローラにGRヤリス用のエンジンを搭載したスポーツモデルという位置づけと考えられていたが、サーキットやワインディングで走らせてみたら予想していたより速い!
こうなると「じゃ試してみようか!」となるのが今のトヨタの面白いところ。昨シーズンはラリー仕様を作って参戦したところ、グラベルのラリーカムイでGRヤリスより速く、クラス優勝してしまった!
GRカローラの開発チームは大盛り上がり! 当然ながら「もっと強いクルマにしよう」となる。1年目は締結ボルトの強化だけだったが、今回の改良を見たら最大トルクを40.8kgmに上げたほかサスペンションの取り付け位置まで変更してきた。
改良の目的は「過渡特性の改善」である。例えば滑りやすい雪道を歩く時は、人間もそっと着地し、徐々に荷重をかけていく。クルマも同じで接地荷重は少しずつかけていった方がコントローラブルだし扱いやすくなる。
GRヤリスよりホイールベースが長いGRカローラは、基本的に穏やかな特性を持つが(だからこそ車重が200kg重いのにグラベルで速い)、その特性をさらに追求してきた。いいクルマ作りの王道だ。
実は昨年も雪道試乗で「GRカローラはコントロールしやすい!」と評価されていたが、今回の改良で一段と穏やかな挙動になっていた。
試乗コースとして用意された雪道は、けっこう滑りやすいコンディションだったものの、ステアリング操作とサイドブレーキとアクセル操作で自由自在に振り回せる!
テールを滑らせてもしっかりコントロールできるのだった。コントロールできればアクセルを踏めるので、結果的に楽しくて速い。
【画像ギャラリー】超~楽しそう!! 雪上を駆け抜ける[GRカローラ]が勇ましすぎぃ!!(7枚)画像ギャラリーGRカローラの出来にGRヤリスチームにも火が付き、将来が楽しみだ!
GRカローラの開発目標にされた(笑)GRヤリスも試乗した。200kg軽いボディを活かせば、やはり高いポテンシャルを持つ。ただある程度のテクニックを必要とし、ナメてかかるとコントロールできなくなってしまう。
今までライバルが存在しなかったGRヤリスながら、ここにきてGRカローラから強烈なプレッシャーをかけられるという状況。こうなると同じGRながら違うメンバーが開発しているため、お互い負けたくない。
かくしてGRヤリスの開発チームにも火が付いた! GRカローラの優れた部分(コントロール性の高さ)をGRヤリスで実現しようとしている。そうなれば200kgの重量差があるため圧倒的に優位。
一方、GRカローラの開発チームは軽量化などしてGRヤリスより速いクルマを作ろうとしている。ランエボvsインプレッサみたいな戦いが始まろうとしているのか!?
クルマ好きにとっちゃ大歓迎。 お互い激しく戦ってほしい!
コメント
コメントの使い方