2023年に米国で発表されたレクサス GX550。ランクル250の兄弟車となるGXの通常販売を控え、2024年に台数限定で発売された先行モデルを公道試乗した。はたしてどんな出来栄えとなっているのか!? 山本シンヤ氏がレポートする。
※本稿は2025年3月のものです
文:山本シンヤ/写真:レクサス、ベストカー編集部
初出:『ベストカー』2025年4月26日号
先行販売のオーバートレイル+にオンロード試乗
日本では今回が初導入となる「GX」。間もなく開始の通常販売に先駆けて、2024年に100台限定で発売された先行モデル、オーバートレイル+をオンロードで試乗した。
エクステリアはエッジの効いたスクエアフォルムが特徴。ランクル250との共通性を感じるが、レクサスの品を損なわずにワイルドとゴツさをプラス。
インテリアはNX/RXに通じるコックピットデザインだが、インパネ上部はフラットな形状、走行系スイッチの集約など視界がよく直感操作がしやすいレイアウトだ。
メカニズムはV6の3.5L直噴ターボ。GA-FプラットフォームなどはLX譲りだが、GXに合わせて最適化。
実はLXに採用のEPSとランクルGRスポーツに採用のE-KDSS、リニアソレノイド式のAVS採用とトヨタ/レクサスのボディオンフレームSUV最強スペックである。
66.3kgmの極太トルクでオンでの走りは超余裕!

パワートレーンは余裕ある力強さに加え、LXよりシームレスなトルク特性と高回転までストレスなく吹け上がりがスポーティ。ただエンジンサウンドはやや主張大きめなので、もう少し抑えたい。
フットワークは操舵応答やクルマの動きにダルなところはなく、ダイレクト感すら感じるシャキッとした印象。
コーナリング時は低重心&重量バランスが優れた基本素性とE-KDSSとAVSの相乗効果で、対角ロールを抑え4輪を上手に使いながら綺麗に曲がる。一体感すら感じるハンドリングからクルマがより小さく、軽く感じてしまったほどだ。
乗り心地は入力が優しいうえにショックをスッと抑えて無駄な動きを出さない絶妙なセットだが、日本向けのタイヤが若干硬めの設定なのか細かい凹凸が続くシーンでは吸収しきれずヒョコヒョコした動きが残るのはちょっと残念。
細かい指摘はあるものの総合力は非常に高い。そしてプレステージ性の高いLXに対し、いい意味で気負わずカジュアルに使えるプレミアムなキャラクターは日本でも素直に受け入れられるはず。だからこそ万全の供給体制を期待したい。
●レクサス GX オーバートレイル+
・全長×全幅×全高:4970×2000×1925mm
・ホイールベース:2850mm
・車両重量:2480kg
・エンジン:V6 DOHCツインターボ 3444cc
・最高出力:353ps/4800-5200rpm
・最大トルク:66.3kgm/2000-3600rpm
・ミッション:10速AT
・WLTCモード燃費:8.1km/L
・価格:1235万円
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