ついに来たぞ、この時が! これまで「モラル頼み」とも言われていた自転車の交通違反対策が、いよいよ制度化へ。今回はその中身と背景、対象となる違反内容を徹底的に解説していく!
文:ベストカーWeb編集部/写真:AdobeStock(トップ画像=itsajoop@AdobeStock)
自転車にも「青切符」制度が正式決定! 2026年からスタートへ
2024年6月17日、政府は「道路交通法施行令の一部を改正する政令」を閣議決定。これにより、自転車の交通違反に対しても「青切符」が導入され、反則金を科す制度が法的に正式に進められることとなった。
施行は2026年4月1日から予定だが、対象は16歳以上の自転車利用者となる。16歳未満については、交通ルールや交通反則通告制度に関する理解度について個人差が大きいと考えられるため、今回の制度では対象外とされている。
どんな違反が反則金の対象になる?
今回の青切符制度で対象となるのは、比較的軽微な違反で、刑事罰を回避できる“反則行為”。以下が主な対象行為と反則金額だ。
・携帯電話の使用(ながら運転):1万2000円
・信号無視:6000円
・通行区分違反(歩道走行や逆走など):6000円
・ブレーキ不良車の運転:5000円
・無灯火運転:5000円
・自転車同士の並進禁止違反(並走):3000円
・二人乗り:3000円
など
傘を差したり、イヤホンを付けて音楽を聴くといったながら運転は、都道府県の公安委員会で定められた順守事項に違反となり、反則金額は5000円となる。
これらの金額は、原動機付バイク(原付バイク)の違反金額に合わせた形となっている。決して“お小遣い感覚”で済む金額ではない!
なかには「青切符がどうした!? 踏み倒してやるよ!」なんて違反者がいるかもしれないが、青切符による告知を受けても反則金を納付しない場合、「通告」を受けることになる。
通告を受けてもなお反則金を納付しなかった場合、道路交通法違反事件として行政手続きから刑事手続きへと移行する。成人の場合は検察庁に送致され、もし起訴されれば裁判所で審判が行われることになる。
なお、酒酔い運転、酒気帯び運転、携帯電話使用(危険を生じさせた場合)などの悪質な違反については制度の対象外とされ、告知票・免許証保管証(赤切符)を交付され、刑事罰の対象として検察庁に送られることになっている。
なぜ今? 背景にある事故の多さと社会的要請
警察庁によると、2024年の自転車関連事故件数(自転車が第1当事者又は第2当事者となった交通事故)は6万7531件。全交通事故の約2割が自転車絡みだ。
さらに自転車の交通違反の検挙数は、2024年が5万1564件。平成26年(2014)が8070件だったので、11年間でその数は5倍以上に膨れ上がっている。もちろん目に見える違反だけでこれだけあるので、検挙されない違反はさらに多い。
歩行者との接触や逆走、ながら運転など「危険な乗り方」が日常的になっている今、もはや“注意喚起”や“啓発”だけでは限界。反則金による抑止力の必要性が叫ばれ、今回の閣議決定につながったというわけだ。
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