おなじみ“ベストカー三羽烏”こと、国沢光宏氏・鈴木直也氏・渡辺陽一郎氏に、歴代クラウンのベストモデルを選出していただいた。現行型を含め16代、70年にも及ぶクラウンの長い歴史の中から、三人が選ぶのはどのクラウンだ!?
※本稿は2025年3月のものです
文:国沢光宏、鈴木直也、渡辺陽一郎/写真:トヨタ、ベストカー編集部 ほか
初出:『ベストカー』2025年4月26日号
国沢光宏のベストクラウン:16代目 クロスオーバーランドスケープ
16代続くクラウンのなかで初めて「欲しい!」と思ったのが、現行クラウンクロスオーバーのランドスケープだったりする。
標準車より車高を25mm上げてオーバーフェンダーを付け、システム出力349psというパワフルなハイブリッドユニットを組み合わせたら、もはやグラベルエクスプレスの如し! フラットダートで走らせたら楽しかったのなんの! 標準でヒッチメンバーが付いているのもステキです。
鈴木直也のベストクラウン:8代目 S130系
クラウンの販売台数ピークは1990年のS130系。年間約24万台という驚異的な記録を残している。ユーザー目線で見れば、これがクラウンの最高傑作だったといっていい。
だが、このS130系、決して順風満帆だったわけではない。当時の高級車市場はシーマブームの真っただなか。実質的には対シーマ対策に追われた世代だったのだ。
それでも、最後に盛り返すのがトヨタらしいよね。
渡辺陽一郎のベストクラウン:初代 RS型、S20、S30系
傑作はやはり1955年登場の初代だ。
ライバルメーカーが外国車のノックダウンで開発・生産技術を吸収していたなか、当時の取締役・豊田英二氏は「外から手に入れた図面に失敗の歴史が書いてあるか」と言ってこれを許さなかった。
そこで純国産高級車として誕生した初代クラウンは、当時の5ナンバー規格に合わせた全長4285mmのボディに、上質な内装とカーラジオなどの先進装備を満載していた。
ライバル続出で揺らぐ個性……クラウン1990年代の模索
シーマやセルシオなどの出現により、クラウンの立ち位置が大きく揺らいだ1990年代。1991年発売の9代目では新モデル、マジェスタの追加や、曲面を多用したデザインに挑戦するも不発。外観の大改修などテコ入れを受けた。
しかし続く10代目ではフルモノコック化を進めるなど、挑戦する姿勢は不変だった。
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