人気のコンパクトSUVを選ぶなら、走りがいいのはもちろん大事だが、家族みんなが納得する使い勝手も大事にしたい。ここではコンパクトSUVの中から厳選した4車の各部を比較し、日常での使い勝手を想定しながら徹底チェックする!!
※本稿は2025年4月のものです
文:馬場武治、鈴木直也/写真:中里慎一郎、スズキ、レクサス、日産、ホンダ
初出:『ベストカー』2025年5月26日号
スズキ フロンクスに馬場からひと言!
室内パッケージングに驚いた一台。全長3995mmなのに、身長175cmの馬場でも快適に座れる! 特に後席のニースペースはなんと14cmもある(※今回は全車、馬場のドライビングポジションで後席を計測)。「小さいのに広い」つくりに感動!
その分、ラゲッジ奥行きは65cmと物足りないけど、日常使いでは積んで走って問題なし!
レクサス LBXに馬場からひと言!
運転している時は「レクサス、いいね~!」と気分爽快。……が、後席へ乗ろうとした際、ドアの開口が狭い。80度弱か。開口部の長さを計測したら83cm。ほかの3台は94cmなので、乗り降りのしづらさは数値で明らか。
加えて後席ニースペースは5cm(涙)。シートを豪華に仕立てた分、厚みで狭さも増した感じですね。
日産 キックスに馬場からひと言!
全長4290×全幅1760mm。日本で乗るには「小さすぎずデカすぎず」ちょうどいいサイズ感。全高が1605mmあるので、後席に乗り込む際も「スッ」と乗れて、合格ですよ!
後席の座面前後長も48cmと4台のなかではトップクラス。ただ、ラゲッジ床面が後ろに向かってなだらかに傾斜している構造は、使い勝手悪そうな印象。
ホンダ WR-Vに馬場からひと言!
スクエアなカタチの効果もあり、前席も後席も乗った瞬間「広い!」。ホンダ「MM思想」全開のクルマですよ。特に後席。ニースペースは14.5cmで、印象的にはフリード級の広さ。
そして、4台のなかで唯一、後席センター部にアームレストがあるのも気に入った(2個のカップホルダー付き)。荷室も充分広くて、言うことナシ!
直也さんからひと言……コンパクトSUVでは後席乗降性は重要な基本性能!
「ドア開口部の長さ」という視点から、後席の乗降性と居住性を比較してみた。
サイズや全高が大きいWR-Vやキックスが有利なのは予想できたが、いちばん小柄なフロンクスが意外な健闘。全長4m縛りがあるインド市場で磨いたスズキのパッケージング技術は素晴らしく、ボディが小柄でも乗り降りに不自由はないし、足元や天井も形状を巧みに工夫してスペースを稼いでいる。
対照的にLBXの後席はあんまり期待しないほうがいいですね。
●スズキ フロンクス……リアドア開口部の長さ:94cm
全長が4mを切るクーペSUVでルーフがラウンドしているわりに後席乗降性は悪くない。
●レクサス LBX……リアドア開口部の長さ:83cm
後席ドアの開口角が狭く、ルーフも短いためスッと身体を出し入れできない。足元も狭い。
●日産 キックス……リアドア開口部の長さ:94cm
ドア開口角は大きく、サイドシル部の開口も大きいため乗降性は良好。ルーフも意外と水平だ。
●ホンダ WR-V……リアドア開口部の長さ:94cm
ドア開口角が大きく、またルーフが長く水平なため、後席の乗降性は極めて良好。足元も広い。
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