40年近く前に登場した日産のBe-1、パオ、フィガロはパイクカーとして未だに高い人気を誇っている。パイクカーとは先鋭的な尖った特徴のデザインを持つモデルの総称を指すが、前述の3台のヒットからそういったものは日産の専売特許というイメージが強い。しかしトヨタもじつは近い成り立ちのモデルをリリースしていた過去があった。
文:小鮒 康一/画像:トヨタ
【画像ギャラリー】これがクラシックの元ネタトヨダ・AA型乗用車! いまもかなり人気車!なBe-1・パオ・フィガロの日産名パイクカー三銃士も連れてきたよ!(2枚)画像ギャラリートヨタの創業とトヨタ初の純国産車の市販60周年を記念したモデル
トヨタがリリースしたパイクカーは、1996年6月に発表されたその名もズバリ「クラシック」というモデル。これはトヨタの創業とトヨタが初めて純国産車として発売した「トヨダAA型」の登場60周年を記念したモデルとなっていた。
このクラシックの製造を担当したのは、トヨタの特装車であるTECSを手掛けていたトヨタテクノクラフト(現:トヨタカスタマイジング&ディベロップメント)。ユーザーの嗜好の多様化に呼応した幅広いジャンルのクルマを提供する一環として、前述のトヨダAA型をモデルに製作したものとなっている。
そのため、エクステリアは現代のクルマとは大きく異なるクラシカルなものとなっていたのだが、このベースとなったのはなんとピックアップトラックのハイラックス。
意外なベースのおかげでなんだかスゴイ出来上がりに
これはハイラックスがラダーフレームを採用していて上物となるボディをある程度自由に作り変えることができるという点と、シャシーの寸法がオリジナルのトヨダAA型に似通ったものだったというのがその理由となっていた。
ボディ外板はトヨタテクノクラフトの職人の手によってほぼ手作業によって作り上げられていることから、生産台数は100台程度を見込んでリリースされており、インテリアには本革シートやウッドステアリングホイール、木目調のインストルメントパネルなどがおごられ、価格は当時の東京地区で817万円と非常に高額。
ただ見た目こそクラシカルであるものの、パワートレーンはハイラックスのものがそのまま使われており、搭載されるエンジンは2Lのガソリンエンジンに4速ATの組み合わせで、エアコンやパワーステアリング、パワーウィンドウといった快適装備も抜かりなく搭載されていて、快適性や操作性は現代の資質を併せ持ったモデルに仕上がっていたのだった。
コメント
コメントの使い方